- 1 : 2024/12/22(日) 23:01:30.736 ID:VVZm/P/g0
- 元々猫が好きだったから、絶対に猫は飼わないと決めていた
先に僕が死んだら猫が出ていけなくなる
いつ死ぬかも分からないのに
そんな事出来ない家を出るといつもの子猫と顔を合わせる
何ヵ月も前に触ろうとした事がある
容赦なく攻撃されて、絆創膏を買いに行った触ったら怒るから、挨拶だけして仕事に出掛ける
- 2 : 2024/12/22(日) 23:05:08.916 ID:VVZm/P/g0
- 何がどうなってもいつでも対処出来る
前はそうだったけど、今はもう難しい若者に厳しくするのが社の方針だから、形だけ厳しくする
- 3 : 2024/12/22(日) 23:07:01.990 ID:VVZm/P/g0
- 厳しくするのには理由がある
それは大切なの事だでも他の全てが厳しい役割をこなしてるなら、例外がいてもあまり問題はないだろう
- 4 : 2024/12/22(日) 23:08:44.219 ID:VVZm/P/g0
- 家に帰るといつも猫がいる
少しでも近づいたら逃げていくから、近づけないでもおかえりと言ってくれている気がした
- 5 : 2024/12/22(日) 23:11:12.648 ID:VVZm/P/g0
- この猫は何故か僕をいつも見ている
僕は勝手に猫に癒されているが、それでは一方的に僕だけが恩恵を受けているだけではないか
- 6 : 2024/12/22(日) 23:13:11.711 ID:VVZm/P/g0
- この猫が食べ物を求めているなら、それを与えるのが仮を返すという事なのかもしれない
シーチキンの缶詰を買ってきて猫に与えた
猫は匂いを嗅いでどこかへ行ってしまった - 7 : 2024/12/22(日) 23:14:49.650 ID:VVZm/P/g0
- そのシーチキンを一人で食べた
あまり美味しくない
こんなに美味しくないものを食べさせようとした
僕は何処までもエゴイストだ - 8 : 2024/12/22(日) 23:16:11.952 ID:VVZm/P/g0
- ずっと前から身体の調子がおかしい
だけど今日も帰って来れた
そこにはまた猫がいた
- 10 : 2024/12/22(日) 23:17:49.185 ID:VVZm/P/g0
- 疲れたから猫を横目に通りすぎる
通りすぎても猫がこっちを見ていた
- 11 : 2024/12/22(日) 23:21:40.228 ID:VVZm/P/g0
- シーチキンは食べなかったのに贅沢過ぎだろ
探して一番高いキャットフードを買ってきた
住んでいた地域が良かった
貧乏な僕に相応しい人が住むここから、1分歩けば高級住宅街だそこのスーパーで買った一番高いキャットフードだ
- 12 : 2024/12/22(日) 23:24:03.956 ID:VVZm/P/g0
- このキャットフードは僕の何食分なんだろう
でもどうせ食べないと思った
この猫は決して人に与えられた物を食べない誇り高き猫なんだ
- 13 : 2024/12/22(日) 23:24:31.660 ID:VVZm/P/g0
- 食べていた
あ…
- 14 : 2024/12/22(日) 23:26:18.654 ID:VVZm/P/g0
- 猫は気まぐれといっても
さすがにこんなに贅沢な猫がいるなんて
考えた事もなかった - 15 : 2024/12/22(日) 23:27:20.768 ID:VVZm/P/g0
- 帰ると家の前に猫がいる
僕は同じキャットフードを与える
- 16 : 2024/12/22(日) 23:28:58.942 ID:VVZm/P/g0
- 人は守るべきものがいると強くなれる
守るべきものが何もなかったけど
最後に見つけられた
- 17 : 2024/12/22(日) 23:31:28.682 ID:VVZm/P/g0
- いつしか猫は家の中に入ってくるようになった
今日も仕事へ
借金しかなかったのに、猫以外に金を使わなくなって
いつしか借金はなくなり貯金は増えている帰ってキャットフードを与える
- 18 : 2024/12/22(日) 23:33:37.359 ID:VVZm/P/g0
- いつも部屋の扉を開けっぱなしにしていたから
いつ何があっても猫は出ていけるだから大丈夫
- 19 : 2024/12/22(日) 23:35:02.822 ID:VVZm/P/g0
- 今日は身体が動かない
明日は大丈夫なはずだし
今日くらいはゆっくり休もう - 20 : 2024/12/22(日) 23:35:38.103 ID:5YYYk+Sq0
- いや誰か相手してやれよ
- 21 : 2024/12/22(日) 23:36:18.056 ID:VVZm/P/g0
- 猫が近い
こんなに近づいて来たのは初めてかもしれないよほどお腹が空いてるんだろう
- 22 : 2024/12/22(日) 23:37:31.214 ID:VVZm/P/g0
- 少し休んだらまたいつものキャットフードを買ってあげるからな
- 24 : 2024/12/22(日) 23:39:29.309 ID:VVZm/P/g0
- だけど、それから全てが悪くなるばかりで
ようやく解放されるのだと天使に導かれる夢を見た - 25 : 2024/12/22(日) 23:40:11.323 ID:VVZm/P/g0
- 起きると猫が僕の顔を舐めていた
- 26 : 2024/12/22(日) 23:41:02.518 ID:VVZm/P/g0
- いつでも出ていけるように扉を開けておいたのに
なんでまだこいつはここにいるんだ
- 27 : 2024/12/22(日) 23:42:32.018 ID:VVZm/P/g0
- 金は残っている
この猫に10年キャットフードを買ってやれるくらいだけど、それを託せる人がいない
- 28 : 2024/12/22(日) 23:45:49.947 ID:VVZm/P/g0
- 誰かに頼もうとスマホに手を伸ばそうとする
手が動かない
最後にそれくらいは
震える手をスマホへと伸ばす
自分のかけて動かない手をスマホへと伸ばす届いた
スマホの画面は黒く
僕の意識は闇へと消えた - 29 : 2024/12/22(日) 23:47:14.353 ID:VVZm/P/g0
- 猫は主を認めなかった
- 30 : 2024/12/22(日) 23:50:08.244 ID:VVZm/P/g0
- 生まれた頃に母親もすでにいなく
餌を求めれば他の猫に拒絶される残り粕をむしゃぼり生きていく
それが猫に出来る一つだけの
生き方だった - 31 : 2024/12/22(日) 23:52:37.316 ID:VVZm/P/g0
- その日猫はもう限界を感じていた
本能のままに生きてきた
出来る事は全てして生きてきた
なら本能のままに死んでもいいと
猫は車の下へと潜り込む - 32 : 2024/12/22(日) 23:54:23.294 ID:VVZm/P/g0
- 車の下は人間の手は届かない
それでも届かない手を伸ばしてくる人間がたまにいる恐怖に震える
もう何日も何も食べていない - 33 : 2024/12/22(日) 23:56:03.404 ID:VVZm/P/g0
- 猫は
暖かい手に包まれる夢を見た - 34 : 2024/12/22(日) 23:57:04.503 ID:VVZm/P/g0
- それはとても幸せな夢だったが、目を覚ますと得たいの知れない巨大な物体に触れられていた
- 35 : 2024/12/22(日) 23:57:45.259 ID:VVZm/P/g0
- 全力で撃退した
それが猫が生まれて初めて勝ち取った勝利だった
- 36 : 2024/12/22(日) 23:59:14.143 ID:VVZm/P/g0
- そうして猫には余裕が埋まれた
また同じ化物が来ても - 38 : 2024/12/23(月) 00:00:05.406 ID:eAiCZNFC0
- 猫は弱かった
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