数億円の私財を投じ、エスペラント語をEUの公用語にするよう働きかけている極東日本の老人が話題に

三好さんは、数億円の私財を投じ、エスペラント語をEUの公用語に採用するよう求める新聞広告を昨年1月から9月までフランス、ドイツ、ポーランドの主要7紙に各7回掲載した。昨年11月から今年5月まで、フランスの1紙で、やはり7回の広告が掲載された。

広告が掲載された「南ドイツ新聞」は三好さんの活動を評価して昨年9月、「エスペラントで世界平和を、と日本人が広告」とする記事を掲載した。

昨年7月にはドイツの通信社の東京特派員が、国際連盟でエスペラント語を公用語にしようとした新渡戸稲造を引き合いに、三好さんを紹介。記事の中で「とてつもないことを考えている。難しいと思うが、実現は不可能ではない」と記した。

三好さんは、手応えありと判断し、関係者に直接思いを伝えることができる手紙を思いついた。

手紙は三好さんと、欧州エスペラント連盟の会長、ドイツエスペラント協会長、世界エスペラント協会欧州委員会長との連名。EUのフォンデアライエン欧州委員長ら各国の代表、欧州議会議員をはじめ、ドイツ、フランス両国の国会議員合わせて1942人に送った。ポーランドの国会議員にも6月に送付を予定している。

「英語の5分の1の労力で習得できる」などとエスペラント語のメリットを強調。「137年間続いた誤解」として、「実際には（エスペラント語には）豊かな文化があり、感情が表現でき、文学書が誕生し続けている」と記した。

その上で「中立的なエスペラントによる直接対話は、相互理解と紛争の回避を促進し、悲劇と浪費、戦争と復興の人類史から逃れることを可能にする」として、EUの公用語化への協力を呼びかけている。

三好さんは「欧州でもまだまだエスペラントの力は理解されていない。欧州が変われば日本が変わり、世界が変わる」と話している。（福家司）

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