「政府のGDP成長率見通し」的中率35％。政府関係者「あたるとかあたらないという話ではない。この数字を実現したいという決意の表れだ」

　政府予測は過大になる傾向があり、斎藤氏は「政府の予測は目標の意味合いが強い」と指摘する。内閣府の担当者は「当たるとか当たらないとか予測をやっているわけではない」とした上で、「『政府としてこのような経済状況を実現したい』という目標的な要素がある」と認める。
　成長率の予測は税収見積もりや、財政再建の計画を決める際の基となる。政府の経済財政諮問会議の議事要旨によると、民間議員であるサントリーホールディングスの新浪剛史社長が今年1月、「過去の試算の実現度合いを見れば、試算の信頼性が落ちていると思わざるを得ない」と苦言を呈した。
　財政が専門の法政大の小黒一正教授は「完全に的中させることは難しいが、見通しと実績が乖離した場合、原因が何かを検証し、有識者会議などを立ち上げて誤差を少なくするための検討を毎年必ず行うべきだ」と指摘する。

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