ゲームD「マリオのリメイクですか？」 社長「ああアメリカ製だ」

社長「いや、マリオという“コンテンツのリメイク”という話だ」

ゲームD「なんでわざわざうちみたいな弱小に声がかかったんですか？」

社長「向こうのエージェントと折り合いがついてないようでな」

社長「任天堂もサジを投げる寸前とのことだ」

ゲームD「やめればいいのに」

社長「リメイク権を買われたらしい・・・やめると違約金が発生するそうだ」

社長「そうだ」

社長「だから絶対に失敗するな」

ゲームD「・・・」

社長「マリオだぞ？違約金とか発生してみろ・・・」

社長「俺が配管工に転職するくらいじゃ済まないぞ」

ゲームD「辞表出してもいいですか？」

ゲームD（結局押し切られてしまった・・・）

ゲームD（まぁ・・・天下の任天堂だもんな。大丈夫だろ）

プロデューサー「それではミーティングを始めたいと思います」

女エージェント「」ｺｸｯ

ゲームD（日本人？日系の人かな？）

プロデューサー「今回からゲームDさんにもご参加いただくことになりました」

女エージェント「よろしく」ﾆｺ

ゲームD「よろしくお願いします！」

女エージェント「では私から」

ゲームD「！？」

プロデューサー「・・・」

女エージェント「改めて言わせていただきます。マリオシリーズのポリコレ的違和感を無くしましょう！」

女エージェント「それが本企画のテーマです！！」ｷﾘｯ

プロデューサー「・・・」ﾊｧ

女エージェント「ふふん♪」ﾙﾝﾙﾝ

ゲームD「あの・・・ポリコレって？」

女エージェント「ポリティカル・コレクトネス」

女エージェント「政治的、社会的に公正中立であるという考え方や概念のことよ」

女エージェント「直訳するならば“政治的正しさ”とでも言いましょうか？」

ゲームD「はぁ・・・」

女エージェント「回答？」

女エージェント「”マリオに人種問題は関係なく、すべての人間のもの。他人の意見は気にせずゲームを楽しんで”」

女エージェント「これのことかしら？？」

ゲームD（それじゃん）

プロデューサー「はい。ですからポリコレのことは一度忘れて頂き」

机ﾊﾞﾝ！！！

ゲームD「」ﾋﾞｸｯ
プロデューサー「」ﾋﾞｸｯ

女エージェント「ポリコレを忘れるですって？つまり原始人に戻れとでも言いたいの？」

ゲームD（ええ・・・）

ゲームD「よかった・・・」ﾎﾞｿｯ

女エージェント「何もマリオは“男性である必要はない”と思ってね」

プロデューサー「・・・」

女エージェント「今世界で最もポリコレを必要としている人種・・・」

女エージェント「アフリカ系黒人女性にしましょう」ｷﾘｯ

ゲームD「いや！ダメでしょ！！」

ゲームD「アフリカ系黒人女性がピョンピョン飛び跳ねるって！逆に差別的でしょ！」

女エージェント「じゃあ、飛び跳ねなければいい」

ゲームD「それじゃあ敵を倒せませんよ！？」

女エージェント「倒す必要があって？」

ゲームD「え？？」

女エージェント「私たちには・・・言葉があるでしょ？」

ゲームD「何言い出してんの？」

ゲームD「言葉って・・・どうやってゲームシステム作るんですか」

女エージェント「わかったわ。じゃあ銃を取りなさい」

ゲームD「なんで物騒な方向に行くんですか！いいでしょ！飛び跳ねて敵を踏みつければ！」

女エージェント「あなた！アフリカ系黒人女性に向かってピョンピョン飛び跳ねてろって言ってるの！？」

ゲームD「それはアンタが言い出したんでしょ！」

ゲームD「なんで妥協したんですか！？絶対、従妹の血統にアフリカ系黒人女性いないでしょ」

プロデューサー「ゲームDさん。堪えてください・・・」ｼﾞﾜｯ

ゲームD「弱みでも握られてるんですか！？」

プロデューサー「大人の・・・事情です」

女エージェント「あのね、プロデューサーさん」

女エージェント「アフリカ系黒人女性がマリコなんて名前なわけないでしょ？」

ゲームD（そこ！？）

女エージェント「どう考えてもポリコレ的にアウトですよね？」

女エージェント「なんかもっと、こう、女性が元気になるものがいいわ」

ゲームD（なんで女性限定？）

女エージェント「そうだ！」

女エージェント「スタバの新作にしましょう！」ﾆｺﾆｺ

ゲームD「！？」

女エージェント「お店で買えばいいじゃない？」

ゲームD「マリオ作る気あります！？」

プロデューサー「じゃあ・・・ショッピングモールとか出しますか」

ゲームD「なんで寄せるんですか！？」

女エージェント「いいわね！そこのモールは多種多様な人種が働くモールにしましょう！」

ゲームD「シムシティでも作ったら？」

ゲームD「・・・」

女エージェント「ヒトはこれだけよ？」

プロデューサー「ルイージも・・・」

女エージェント「これでも多種多様かしら？」

ゲームD「・・・」

女エージェント「ポリコレ的には・・・」

女エージェント「正しくない！！！」

女エージェント「イタリア系男性の名前でしょ！？」

プロデューサー「それはまぁそうですけど・・・」

女エージェント「この際タイトルもポリコレ的に正しくしましょう」

ゲームD「さすがにマリオの名前変えちゃまずいでしょ！」

女エージェント「もっと、普遍的でポリコレ的にいいものにしましょうよ」

女エージェント「例えば・・・」

女エージェント「“The Last of キノコ”」

ゲームD「！！？」

ゲームD「マリオは！男！配管工！キノコで大きくなる！それでいいでしょ！！！」

女エージェント「・・・」

ゲームD「大体！さっきからポリコレ的にって言ってますけど！」

ゲームD「ほとんどアナタの主観じゃないですか！？」

ゲームD「え？」

プロデューサー「え？」

女エージェント「私は勘違いしていたようね」

ゲームD「わかってくれました・・・？」

女エージェント「人種も、肌の色も・・・」

ゲームD「ゲームにはｋ」

女エージェント「一つじゃない」ｷﾘｯ

ゲームD「チガウ」ﾌﾙﾌﾙ

女エージェント「デフォルトはアフリカ系黒人女性で！」

女エージェント「アジア系、パキスタン系、インド系・・・ついでに白人も」

女エージェント「すべて選べるのよ！！素晴らしいでしょ！！」

ゲームD「チガウ、ソウジャナイ」ﾌﾙﾌﾙ

プロデューサー「・・・」

女エージェント「これが新時代のマリオよ！！！」

多種多様な人種、性別が選択可能な仕様になり

LGBTQにも配慮され、ピーチ姫にはノンバイナリーの設定が足された

敵はクッパで固定された。これは女エージェントの一言により決まった

女エージェント「カメは敵でしょ。カメは！」

傍若無人である

何よりもゲームDを震撼させたのは・・・