フィリップ・モリス(マルボロ、ラークetc)、紙巻きたばこ日本撤退

フィリップ・モリス、紙巻きたばこ日本撤退
10年以内、加熱式注力
2021年5月8日 2:00

「マールボロ」や「ラーク」を手がける米たばこ大手のフィリップ・モリス・インターナショナル（PMI）は、10年以内に日本で紙巻きたばこの販売から撤退する。
法改正によって紙巻きたばこへの規制強化が進むなか、煙が出ない加熱式たばこに注力する。
過去約25年で3分の1になった紙巻きたばこ市場の縮小に拍車がかかる。

5日に最高経営責任者（CEO）に就任したヤチェック・オルザック氏が日本経済新聞のオンライン取材で「日本で10年以内に煙のない社会を実現する」と表明した。
今後10～15年で日本以外でも順次撤退する。日本が紙巻きたばこの販売をやめる最初の市場になる可能性があるという。

2020年の改正健康増進法施行で、飲食店では食事をしながら紙巻きたばこを吸うことができなくなった。
加熱式は専用器具で葉タバコを加熱して発生する蒸気を吸うもので、副流煙が出ない。たばこ業界によると紙巻きより有害成分の発生量も少ないとされる。

PMIは16年から全国で加熱式の「IQOS（アイコス）」を販売。英調査会社ユーロモニターインターナショナルによると、19年の国内の加熱式市場で7割のシェアを持つ。
21年下期に新商品で加熱式をテコ入れする日本たばこ産業（JT、シェア1割）などを引き離している。

加熱式の場合、店舗が一定の条件を満たせば食事中に吸うことが許されている。PMIは加熱式に専念して紙巻きから移る消費者獲得を進める。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71680230Y1A500C2MM8000