主婦「助けて！皇室のように上品な娘に育てたはずの娘が、大学4年で知り合いの影響でマルチ商法を始めて赤髪革ジャンのチンピラに！」

［人生案内］大学生の娘　「マルチ商法」職業に : 人生案内 : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/jinsei/20210301-OYT8T50110/

６０代の主婦。大学４年生の娘が、就職せずにいわゆる「マルチ商法」を職業にすると言い出しました。

大学のサークル活動で知り合った同性の友人がその道に進むそうで、娘も同じ道を行くと言うのです。世間に顔向けできない職業には就くべきではない、と何度も説得していますが、「法律上、問題はない」と頑として聞き入れません。

娘は大事に育ててきたつもりです。幼い頃からピアノやバレエ、英語など教育には力を入れました。服装も、皇室の方のような品のいいファッションだったのに、その友人の影響で、革ジャンに赤い髪、まるでチンピラのようないでたちになってしまいました。

コロナ禍を理由に自宅にも戻らず、ずっと友人の家に居候している状態です。親としてどうすべきか途方に暮れています。私の接し方が間違っていたのでしょうか。（千葉・Ｒ子）

◇佐貫　葉子（弁護士）

娘さんの年齢を考えると、就職について、基本的には娘さん自身の選択を尊重すべきだと思います。

ただ、あなたのおっしゃる「マルチ商法」というものは、その実態がなかなかわかりにくい職業であることは事実です。そもそも「マルチ商法」とは法律用語でもないため厳密な定義はありません。一般的には、店舗を構えるのではなく、人から人への紹介で商品を販売していく商法を総称する場合が多いです。

その中には違法なものもあれば、適法に営まれているビジネスもあります。何を販売しているか、収入はどのような仕組みでもらえるか、ノルマがあるか、その販売組織は長く安定した実績があるかなど、見極めるべき点はいくつかあります。国民生活センターや消費者センターなど専門機関にご相談ください。

そして、娘さんがやろうとしている商法は問題があるとわかったら、根拠を示して冷静に反対してください。その際は、友人のせいにしないこと、服装などを非難しないこと、幼い頃から習い事もさせたのになどと言わないことが肝心です。あなたの描く「よいお嬢さん像」から抜け出したい、という思いが、娘さんを現在の行動に向かわせているのかもしれませんよ。