外国「いい加減日本も接種進んだだろ」日本人「首相が外国企業に頭を下げるな。今からでも遅くない。国産ワクチン開発を」外国「！？」

政治も経済も五輪も前提は“コロナの状況”　事態好転の鍵を握るワクチン、いまからでも遅くない国産開発の支援体制見直しを
5/8(土) 16:56
https://news.yahoo.co.jp/articles/93c79979eb16bd6cfd15087684e9c00ac9ac9ba0

【ニュースの核心】

菅義偉政権は、ゴールデンウイーク（ＧＷ）明けに、どう動くか。
新型コロナウイルスと東京五輪・パラリンピックの行方次第で、
政治が緊迫する政局含みの展開になる可能性もある。

政治も経済も大前提になるのは、新型コロナの状況だ。
政府対策分科会の尾身茂会長はＧＷ前の４月１４日、「感染は『第４波』に突入した」との見解を示していた。
私は「ピークはこれから」とみる。
ズバリ、５月半ばごろに新たなピークを迎えるのではないか。

なぜ、そう考えるか。

日本の感染ピークをたどってみると、
昨年３月から始まった「第１波」は同４月１７日に新規感染者数がピークを迎えた。
「第２波」は８月１日、「第３波」は今年１月７日だった。
英国は、最初のピークが昨年４月２２日、次が１１月１２日、第３波が今年１月８日である。

波の間隔を日英両国で平均してみると、約４カ月半で次のピークを迎えている。
英国ではワクチン接種が進んだが、日本は進んでいない。
そうであれば、従来の延長で日本の「第４波」は「第３波」の４カ月半後にピークを迎えてもおかしくない。
つまり、５月半ばだ。

そうだとすると、東京五輪・パラリンピックを開催するかどうかを最終的に決めるころ、
第４波がピークを迎える形になる。３回目の緊急事態宣言も東京、大阪、兵庫、京都に発令された。
東京五輪の行方も不透明なままだ。

東京五輪が中止に追い込まれれば、菅政権の打撃になる。
自民党の二階俊博幹事長が先に、「中止も選択肢」と語ったのは、
そんな事態を見越して「打撃の最小化を図った」可能性がある。
７月に開かれたとしても、関係者に感染者が大量発生したり、
競技の一部が中止になったりすれば、政権批判は免れないだろう。

景気の先行きも不透明なままだ。
多少、反転したところで、水準自体が低すぎる。
飲食や旅行関係にとどまらず、幅広い業種で事業の縮小や見直しが進んでいる。
本格回復の兆しは見えない。

事態好転の鍵を握るのは、ワクチンだ。

菅首相は先の訪米時に、米製薬大手「ファイザー」の最高経営責任者（ＣＥＯ）と電話会談して、
「９月までにワクチンが追加供給される見通しを得た」という。ただ、これも楽観はできない。

菅首相が「９月までに」と言ったのは意味深長だ。
衆院議員の任期は１０月までで、それまでには衆院解散か任期満了による総選挙を迎えるからだ。
首相とすれば「９月までにワクチンが国民に行き渡れば、安心感が広がって選挙には追い風」
という計算があったに違いない。逆に言えば、ファイザーが日本の政局の鍵を握るかたちになった。

ここをどう見るか。

やむを得ないとはいえ、私は一国の首相が外国企業のトップに頭を下げる構図は「情けない」と思う。
こうなったのも、日本の政治家と厚生労働省が感染症対策を甘く見て、
「ワクチン開発は国防問題」という認識がなかったからだ。
いまからでも遅くはない。国産ワクチン開発の支援体制を抜本的に見直すべきだ。

中国との関係も難しい。

中国・新疆ウイグル自治区における人権侵害問題を受けて、
新疆産綿を使うアパレル企業に対する国際的な批判が示唆しているように、
今後は対中取引全般がリスクになる可能性が高い。
菅政権は、まずは反対論の少ない人権擁護の切り口から、対中外交を見直す必要がある。

■長谷川幸洋（はせがわ・ゆきひろ）　ジャーナリスト。１９５３年、千葉県生まれ。
慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院（ＳＡＩＳ）修了。
政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。
政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。
著書『日本国の正体　政治家・官僚・メディア－本当の権力者は誰か』（講談社）で山本七平賞受賞。
ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のＮＥＷＳチャンネル」配信中。