安倍晋三に応援演説してもらった人「なんでこんなことをするんだ」

安倍晋三元首相が昨年７月８日に奈良市で銃撃された際、並んで立っていた自民党の佐藤啓参院議員が７日までに取材に応じ「すぐ安倍氏に駆け寄って『総理、総理』と２回声をかけたが、返答はなかった」と直後の様子を証言した。自身の応援のための選挙遊説で事件が起き「ご遺族に申し訳ない気持ちで過ごした１年だった」と心境を明かした。

　佐藤氏は参院選奈良選挙区に立候補。銃撃時は安倍氏の左隣で聴衆に手を振っていた。１発目の銃声が響いた際には「何の音かも分からなかった」と説明。２発目の銃声の後に「危ない、逃げろ」と後ろから押され、振り返った時には安倍氏が倒れていた。山上徹也被告もその場で取り押さえられていた。

　混乱する中、怒りと悲しみで「なんでこんなことをするんだ」と大声で叫んだことは覚えている。救急車が到着するまで約１０分間。「時間の感覚がない。いろいろなことがあり、すごく長い時間に感じた」という。

　事件から１年を迎え「政治家としてどのように頑張らないといけないかを思い出す非常に重要な出来事だ」と振り返った。

https://www.iwate-np.co.jp/article/kyodo/2023/7/7/1113912