松井はん「万博のパビリオンの建設遅れは愛嬌の範囲内」

　海外パビリオンとしては、開幕してから中身を出して来場者を驚かせたいと考えているのかなと思う。ただ、チケットは2005年の愛知万博の同時期よりも売れているし、開幕すれば関心は高まるはずだ。関西以外では万博に対して熱量は弱いと感じるが、開幕後に来場者がどんどん情報発信をしていけば熱量は広がっていくのではないか。

　――赤字になるリスクも抱えている。ただ、その場合の対応は決まっていない。

　万が一赤字になれば、国、経済界、大阪府市で財源を確保してやってきたのだから、三者で話し合いすることになると思う。ただ、今はみんなで成功するように考えていけばいいんじゃないかと思うけどね。

　――万博をめぐっては、海外パビリオンの建設の遅れや会場建設費の相次ぐ増額など様々な課題が浮かんできた。主催する日本国際博覧会協会には省庁や自治体、企業から人が集まっていて、「寄り合い」の体質が背景にあるのではないか、と指摘する声もある。

　協会が寄り合い所帯なのは間違いない。なかなか意思疎通がうまくいっていない部分はあるかもしれない。でも大きなプロジェクトでは関係団体から人が集まるので、そういう弊害はあるものだ。

「並ばない万博」を考案も、デジタルチケットの予約は…

　海外パビリオンの建設については、各国本気だからどうしても時間がかかる。自国の資材や職人を使いたいけど、日本での建築は慣れていない。ただ、開幕に間に合わせるという汗を流し、強い意志を持っている。建物の一部に間に合わない部分があっても、もうそこは愛嬌の範囲だと思う。