米のプレスリーそっくりさん大会で日本人が優勝……やっぱり白人に見えるよな

土岐さんはプレスリーと同じ身長182センチで、誕生日も同じ1月。学生時代にビデオで見たプレスリーに魅せられた。大学卒業後、仙台市でサラリーマンやアルバイトをしながら、プレスリーの姿で芸能活動を続けていたが、2011年の東日本大震災で仕事が激減。青森県に戻り、12年、青森市にライブバー「メンフィス・カフェ」を開いた。

20年、プレスリーの故郷・米メンフィスで開かれるプレスリー財団公認のそっくりさん世界一を決める大会の豪州予選で優勝したものの、新型コロナウイルス感染症のために本選出場はかなわなかった。

新型コロナで店が休業を余儀なくされ、イベントも中止となっていた間、歌のネット配信を始めたが「歌や映像に納得できなかった。歌い方を見直し、感情を込め、ドラマチックに歌うよう心がけた。その途端に評価してもらえるようになった」と振り返る。

21年には本選に出場できたが、トップ10に入れず、優勝できる方策を考えたという。「歌、パフォーマンスは劣らない。見た目もメークで近づくことはできるが、米国内で自分のプレスリーを発信する活動が足りないと感じた」。昨年から米国の各種大会に出始め、同10月の大会では2位となった。

今回の大会では「アンチェインド・メロディ」などを歌い、米国人、英国人、豪州人が参加する中で頂点に立った。「歌手なので、聴衆から『声がすごい』『涙が出る』と言われ、うれしかった」と振り返る。

現在は頻繁に国内外でツアーを行っているが、あくまで拠点は青森県。「大会では『アオモリ・ジャパン』と紹介される。米国に行けるのも、青森の皆さんにお世話になり、お店に来てもらっているから」と熱く語る。
　
今大会は米メンフィスでの世界大会の予選で、8月には再び本選に出場する。「優勝は難しいが、トップ5には入りたい」と意気込んだ。