米国のガソリンがリッター1ドル超の過去最高値へ、長官「もう限界だ！ガソリン税を停止しないと！」

米国のガソリンが最高値圏　バイデン政権の対策に限界

米国の価格指標であるニューヨーク市場の改質ガソリン先物（期近）は、
日本時間21日夜時点で1ガロン（約4リットル）4ドル弱。

2008年7月に付けたこれまでの最高値（3.6ドル台）を3月に上回った後も
上昇が続き、今月上旬に初めて4.3ドルを超えた。過去半年で約2倍の
高値に達しており、08年夏の半年間と比べても上昇ペースの速さは異例だ。

小売価格も高騰し、米エネルギー情報局（EIA）によると13日時点で
レギュラーガソリンの全米平均は初めて5ドルを突破した。

背景にあるのが輸出の拡大だ。EIAによると6月4～10日のガソリン輸出は
日量約93万バレルと、過去5年間平均を4割上回った。欧州をはじめとする
西側諸国が、経済制裁や信用リスクを背景にロシア産ガソリンの調達を削減。
代わりに米国からの輸出が増えている。

バイデン米政権はこれまで大規模な石油備蓄放出など対策を進めてきたが、
十分な成果を上げておらず、連邦ガソリン税の一時停止など新たな対策を
検討していると報じられている。

イエレン米財務長官は19日、インフレは「容認できないほど高い」とし、
ガソリン税の一時停止は「検討する価値がある」と述べた。

ただ税金を免除すればガソリン需要が余計に伸び、ガソリン自体の価格は
さらに上がる悪循環に陥る可能性がある。ガソリン高を抑え込むのは容易ではなく、
リスクは高まっている。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB277DH0X20C22A5000000/