自民党議員さん、毎月8万円のはずが1万円しかスタッフに渡さず　残金は懐に

人件費に毎月８万円の領収書、実際の支給は１万円…政活費不正受給の県議「辞職して責任取る」

　自民党の野川政文・山形県議（６７）が、少なくとも２０１５年度から２０年度までの６年間、事務所スタッフに支払った給与よりも５００万円以上多く、政務活動費（政活費）を不正に受給していたことが５日、わかった。読売新聞の取材に野川県議本人が事実を認め、「近々、議員辞職して責任を取る」と話した。近く記者会見を開いて詳細を説明するとしている。

　１５〜２０年度の政活費の収支報告書によると、野川県議は１５年４月から２１年３月まで、毎月８万円の領収書を添付し、人件費として計５７６万円の政活費を県から受給した。

　しかし、野川県議によると、実際はスタッフに毎月１万円しか支給していなかったという。差額の５０４万円は不正受給となる。

　野川県議は「不徳のいたすところで、恥ずかしい限りだ」と不正受給を認めた。県議会に収支報告書が保管されていない１４年度以前については「記憶が曖昧なところもある」とし、「詳しいことは弁護士と詰めた上で、記者会見で説明したい」と述べた。

　野川県議は自民党幹事長だった加藤紘一氏の秘書を経て、１９９５年に県議選の東根市選挙区から出馬し、初当選。現在７期目。２０１３年に党県連幹事長、１５年に県議会議長となり、１６〜１７年に全国都道府県議長会の会長を務めた。

　県議会の坂本貴美雄議長は５日、報道陣の取材に「絶対あってはならない。県民から見れば、議会全体の問題として問われることと思う。今後、政活費は厳格に対応したい」と述べた。自民党の森谷仙一郎県連幹事長は「極めて残念。（野川県議の）記者会見後に私どもの考えを出したい」と語った。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211106-OYT1T50041/