米国のチップはもはや「制御不能」…なぜドライブスルーやセルフレジでもチップを求められるのか？

米国のチップはもはや「制御不能」…　なぜドライブスルーやセルフレジでもチップを求められるのか？

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さらに近年では、チップの相場が上昇しているだけでなく、チップを求められる場面も増えているという。エチケットの専門家トーマス・ファーリーは、CNBCの取材にこう語る。

「全国的に、『チップフレーション』として知られる現象が起こっています。あらゆる場面で、チップをいくら払うかを尋ねるタブレット画面を提示されるのです」

一部の消費者たちは、こうした状況にうんざりしている。なかには、ドライブスルーやセルフレジを利用したり、ファストフードチェーンの「サブウェイ」でサンドイッチを買ったりするときでさえもチップを求められることについて、SNS上で文句を言う人もいると、米公共放送「VOA」は報じている。

チップフレーションの「3つの要因」
米公共放送「NPR」は、米国のチップ事情がここ数年で大きく変化した理由として、次の3つを挙げる。

1つ目はパンデミックだ。ジョンズ・ホプキンス大学ケアリー・ビジネス・スクールのシュブランシュ・シン教授によれば、パンデミックの間、米国人はそれまでチップを渡していなかった人々にもチップを渡すようになった。また、エッセンシャルワーカーをサポートするため、より多くのチップを渡すようにもなった。だが、パンデミックが去っても、チップは元には戻らなかったという。

2つ目の理由はテクノロジーの発達だ。いま、米国では、チップをいくら支払うかを、会計の際にタブレット画面で選択する方法が主流となりつつある。消費者はレジ係を前にして、強い社会的圧力を感じながら、チップの金額を決めなければならないのだ。

もし目の前に人がいない場合、消費者はチップを支払わないとシン教授は指摘する。たとえば、米配車大手の「Uber」や「Lyft」を利用した場合、降車後にアプリ上でチップを求められるが、60％以上の顧客はまったくチップを払っておらず、払う人でもその額は5～10％程度だという。

そして3つ目の理由が、労働市場だ。ボストン大学ホスピタリティ管理学部のショーン・ユン教授によると、インフレが続くいま、労働者が受け取っている賃金は充分ではない。一方で、メニューの価格を上げることは客離れにつながる。そこで企業は、消費者が支払うチップに頼ることで、同じメニュー価格を維持しながら賃金を引き上げようとしているのだという。

「言い換えれば、チップは企業が従業員に払う額を増やすことなく、より多くの賃金を支払うひとつの方法なのです」

これら3つの要素が強力に組み合わさって、米国のチップ事情に大きな影響を与えているのだ。チップフレーションはいつまで続くのだろうか？　コーネ…

詳細はサイトで
https://news.yahoo.co.jp/articles/c204efc438fa25712aa97cf521dd9880b8df7fd2