日本人が知らずにしているアメリカの飲食店で「やってはいけないこと」

世界中でポストコロナとなり、数年ぶりに海外旅行に行った、もしくは長期休暇に海外旅行を予定している人は多いかもしれない。

アメリカに20年以上住んでいる筆者だが、日本人の振る舞いを見ていて、まだ意外と知らない人が多いと感じる「飲食店でのマナー」がある。それはアメリカのレストランでは、「手を挙げてサーバー/ウエイトスタッフ*を呼んではいけない」ということだ。

これを聞いて、多くの日本人は「どういうことか？」と思うだろう。なぜなら日本の居酒屋やファミリーレストランでは、メニューを決めたら「すみません！」、お水が欲しい時に「すみません！」、追加の注文をしたい時に「すみません！」とサーバーを呼ぶ。何ら失礼なことではない。

その調子で海外（特に欧米）にやって来ると、きっと恥をかく。日本の居酒屋やファミレスのノリで手を挙げて店のスタッフを呼ぶ行為は、ここアメリカでは時に失礼な印象を与えてしまうことにも繋がりうるから。

呼ばれたサーバーはおそらく「呼びつけられた」と感じるだろう。そして呼んだ人を「『来い』なんて失礼な客だ」とか「なんてせっかちなんだ」と思うだろう。カチンときて、すぐには来てくれないかもしれない。そんな文化の違いを知らないままに、「海外のレストランで、呼んでも無視された」「意地悪された」「人種差別だ」と文句が出る。時々日本の有名人にも、欧米のレストランで失礼な態度を取られた、差別を受けたなどという経験談を話している人がいる。

しかし、これらは文化の違いが根底にあるから起こったミスコミュニケーションであり、アメリカではアメリカのマナーを、ヨーロッパではヨーロッパのマナーを知ってさえいれば、トラブルは回避できる。

読者の皆さんはここまで読んで、「店のスタッフを呼ばないのであれば、じゃあどうしたらいいの？」と思うだろう。答えは「何もしない」ということだ。

メニュー表を見てオーダーするものが決まったら、メニュー表を閉じてテーブルに置く。それが「オーダーの準備できました」という合図になる。そうしたら後はサーバーがやって来るまで、同行者らと優雅に会話を楽しむと良い*。リラックスして座っていると、そのうちサーバーは来てくれる。

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