日本の近海ではめったに取れない貴重な天然銀鮭が大漁🐟

希少な天然ギンザケ、北海道で大漁　首都圏の店頭にもお目見え

　日本の近海ではめったに取れない貴重な天然ギンザケがこの夏以降、北海道の定置網で大量水揚げされており、漁業者や市場関係者から驚きの声が上がっている。首都圏の魚市場にコンスタントに出荷されているほどで、珍しさから都内の鮮魚専門店などでも人気を集めている。

　ギンザケは養殖魚ではメジャーな存在で、南米・チリのほか宮城県や新潟県の佐渡島などで、年間合計１５万トン以上が生産されている。これに対し天然物は、北米やロシアの河川にしか遡上（そじょう）しない希少な魚で、北海道では、回遊中にたまたま迷い込んだごく少量が漁獲される程度だという。水揚げゼロの年もあるほどだ。

　しかし、今年は８月中旬ごろに知床半島周辺、９月上旬ごろから北海道東部の定置網にまとまって入るようになった。根室市の歯舞漁港では１網で１００匹以上取れることもあり「過去にほとんど例がないほどの多さ」（販売担当者）という。厚岸郡の浜中漁港でも豊富な漁獲が続いている。

　多くのギンザケが海で漁獲されるケースは過去にも一度、岩手県や青森県などであった。東日本大震災が発生した２０１１年の夏以降に、津波で被災した宮城県の養殖いけすから一部の魚が逃げ、太平洋を北上した時だ。今回も産地や市場関係者からは「養殖魚が逃げたのでは」との声が上がっていた。

　そこで研究機関が、水揚げされた魚体を調査したところ「ヒレの形状などが養殖魚の特徴と異なる」（北海道立総合研究機構水産研究本部さけます・内水面水産試験場）ことを確認。同試験場は、北米海域などから回遊してきた「天然物で間違いない」と太鼓判を押す。

　ただ、大量に定置網に入った原因などは各研究機関とも調査中で、今のところ明確な理由は分かっていない。産地関係者は「本来は沖を回遊している魚。高水温や競合する秋サケの減少など、何か理由があって網に入ったのかもしれない」（歯舞漁港の販売担当者）と首をかしげている。

　東京・豊洲市場（江東区）には８月下旬から、ほぼ毎日入荷しており、１０月上旬の卸値は１匹２～３キロサイズが１キロ当たり８００円前後。都内の百貨店では調理用の切り身１切れが５００円前後と、北欧産の高級養殖サーモン並み。店頭では「サケ特有のうま味が濃く、身も締まっている」（豊島区の鮮魚専門店）と天然ならではの良さをアピール。リピーター客などが付き、売れ行きは良好という。

　北海道の漁業現場では、サンマや秋サケの不漁に加えて赤潮被害まで発生するなど、このところ受難続き。こうした中、天然ギンザケの好調水揚げは久しぶりの明るいニュース。漁師さんへの応援も込めて、一度は味わってみる価値がありそうだ。
https://www.jiji.com/sp/article?k=2021100900205&;g=soc

つぎ、チリ方面で地震来たら覚悟した方がイイ