宇都宮のLRT成功を皮切りに京都、岐阜、神戸、前橋市が名乗りを上げる なんで京都は路面電車廃止しちゃったんだろ

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宇都宮LRTの成功を受け全国各地で導入の機運

LRTの導入を掲げるのは岐阜県だけではない。京都市では京都商工会議所の「京都経済人会議」において、2040年までの導入構想が明らかになった。

国内最大規模の観光都市である京都市はオーバーツーリズムが課題で、慢性的な交通渋滞や電車・バスの混雑が市民生活を圧迫させている。とりわけ京都市内はバス移動が多く、ほぼ限界を迎えているのが現状だ。

混雑緩和や回遊性の向上を目的に、LRTの導入が浮上した。静岡県浜松市や群馬県前橋市、兵庫県神戸市なども検討しており、全国的に機運が高まっている。

背景としては、先述したように全国都市部では少子化などの影響を受けてバスを初めとする既存公共交通の維持が難しく、高齢者の増加により交通弱者も増えている。

建設費が比較的低く、バリアフリーで乗降しやすい、電動で環境に優しいLRTは課題解決に向く。地上を走行するので高架や地下を走る鉄道に比べ都市景観を損ねにくく、まち並みを眺めながら移動できるため、観光客にとっても魅力的だ。自動車からLRTへの転換を促すことで交通渋滞の緩和、事故の削減も期待できる。

都心部と郊外をつなぎ、都心部内の移動が容易になるので、コンパクトシティ政策との親和性も高いだろう。今後、全国の都市で導入検討は増えていくかもしれない。

成功事例も後押ししている。代表格は2023年8月に開業した、栃木県宇都宮市の「宇都宮LRT」だ。初年度は毎月30万人台、24年度は同40万人台と利用者は右肩上がりで増え、2025年7月には50万人を突破することに。

開業からの累計利用者は6月中旬に900万人を超え、開業時の想定よりおよそ半年前倒しで1000万人となる見通しだ。

経営も順調で、初の通年営業となった2024年度の営業収益は13億1500万円、経常利益2億3700万円、最終利益は1億9000万円を計上した。現在は宇都宮駅の東側を走っているが、今後は中心市街地である西側に延伸する計画も進んでいる。こういったケースが、各地における導入構想につながっているのではないだろうか。