サウジアラビアが石油枯渇後を見据え国家戦略として「ゲーム」に注力。まずはゲーム最大手EAを8兆円で買収

サウジアラビアが国家戦略としてeスポーツ・ゲーム産業に力を入れています。在サウジアラビア日本大使館で経済班長を務める楠田真之さんに動向を聞きました。

――日本の人たちにサウジはどのように映っていると感じますか。
ビジネス関係者でもサウジをよく理解されている方はまだ多くないように思います。商社などサウジで長く事業をしている企業には詳しい人がいますが、
全体としては「ガザの情勢が厳しくてなかなか進出しづらい」といった認知で、まだ心理的な距離もあるのではないかと感じています。

今後、サウジの持つ将来性やリスクに対してより正確な理解が進み、双方にメリットがある連携が進むことを期待しています。

原油の主要な調達先の一つであるサウジは日本にとって重要な国です。ここ数年は毎年度、経済産業相が訪問しています。
今年1月にはeスポーツ・ゲームについても閣僚レベルで議論されており、今後も議論される可能性があります。

――サウジの政府系ファンドらが、米ゲーム大手エレクトロニック・アーツ（EA）を買収することが話題になりました。

EAはサウジで一番人気のあるサッカーゲーム「EA SPORTS FC25」を制作する会社です。この国は国家戦略としてゲームを位置づけて取り組んでいますが、
8兆円を超える投資には、大きな動きをしたなという印象を持ちました。

政府系ファンドの「パブリック・インベストメント・ファンド（PIF）」と別の二つのファンドによる共同案件ですが、
PIFが中心となった動きだと私はみています。真剣にゲーム業界の覇権を取る気概を感じました。
https://www.asahi.com/articles/ASTBY22YLTBYPLFA007M.html