在ウクライナ日本人「コロナ陽性だったけど帰国したい」日本大使館「無理。運命だと思って諦めて。とりあえずハンガリーに行けば？」

ウクライナに退避勧告も…「コロナ感染で帰国できず」　注目の日本人ツイート、外務省の見解は（J-CASTニュース）
https://news.yahoo.co.jp/articles/9085f38f7cbed4d80a2cc00367c9b0821562957d

感染が分かったときは、日本政府から退避勧告が出ていたが、なぜ対応できなかったのか。外務省の海外邦人安全課に話を聞いた。

ツイッターのアカウントによると、この女性は、ウクライナ人の夫や子供らと首都のキエフに住んでいる。

ロシアの侵攻が現実味を増した2022年2月11日、日本政府は危険情報を最も高い「レベル4」に引き上げ、ウクライナ在住邦人に退避勧告を出した。

女性の3月2日のツイートによると、女性は2月11日、日本への航空機を予約し、翌日のPCR検査も予約した。女性は、在ウクライナ日本大使館に陽性となったときのことを聞くと、大使館側は、領事レターを出すので相談してほしいと伝えてきたという。女性は、検査を受けた結果、13日に陽性と判明した。

そこで、陽性でも帰国できるか聞くと、大使館側は、陽性なら帰国できないと説明したという。ただ、ウクライナの西側で接するハンガリーなら陰性証明が不要とも話したというが、女性は、ハンガリーで療養するのに不安を感じたと明かす。女性は投稿で、大使館側が運命だと思ってウクライナを出るのをあきらめるよう伝えてきた、ともしている。

ウクライナに残留している邦人約120人について、自民党の高市早苗政調会長は2月25日、ごく少数以外は退避しようとしていないとツイッターで報告し、「よって、大使はじめ邦人保護に携わっておられる大使館員も退避できず、邦人の安否が心配でなりません」とつづった。

これに対し、女性は3月2日、自分たちのために大使館員が退避できないと言われたようでショックだとツイッターで明かした。そして、大使館側は、陽性なら帰国できないと言わずに何とかしてほしかったと書いていた。

女性のこれらのツイートは反響を呼び、高市氏の投稿に反応したものは3000件ほどリツイートされている。

ロシアが侵攻する前ではあったが、日本政府がウクライナ在住邦人に退避勧告を出す危険な状況だった。コロナに感染していたとしても、女性を特別措置で帰国させるようなことはできなかったのだろうか。

外務省の海外邦人安全課は3月2日、J-CASTニュースの取材に対し、個々の在住邦人については回答を差し控えるとしたうえで、陽性と分かったときについてこう説明した。

「侵略が始まる前は、民間の商用機が飛んでおり、飛行機に乗るときは、航空会社から陰性証明を求められます。ウクライナから日本への直行便はなく、経由地の国による水際対策があるからです。陰性証明の必要がない国を経由したとしても、日本の水際対策から陰性証明がないと入国できないはずです。現在は、ウクライナと接するポーランドも、非常時として陰性証明の必要がなくなっており、まずこうした国に退避してもらうことになります」

日本大使館などが働きかけて、退避のための特別措置を取ることができないのかについては、こう話した。

「大使館では、邦人保護についての照会には応じていますが、様々なケースがあり、仮の話には答えられません」

今後、ウクライナ在住邦人が退避できるかについては、「退避勧告はまだ出ていますが、現地の状況から、今はご自身の身の安全を最優先するよう呼びかけています」として、場合によっては、シェルター内などに留まることが必要との見方を示した。

（J-CASTニュース編集部　野口博之）