産経「統治者を神の代理人として扱い、統治者は現人神として振る舞う。それがロシアという国と民だ」

プーチンを神にした「第三の帝国」　三浦清美

ロシア軍によるウクライナ侵攻が世界を震撼させてから、ウクライナの徹底抗戦とロシアでの反戦デモの抗議運動の広がりが報道されている。
これは強大な権力を握るプーチン大統領の暴走で、ロシア国民は支持していないのだという論者もいる。ロシアでの抗議運動が功を奏し、スマートに停戦が実現すればどんなによいだろうかと私も心から思う。
しかしながら、それは絵に描いた餅ではないのかと危惧してもいる。なぜなら、今回の事態を引き起こしたロシア政府指導部も成算なくこの暴挙に到ったわけではないからだ。
長い年月にわたりロシア正教の伝統によって培われたロシア人特有の宗教感覚、統治者観を利用している側面が多分にあると思う。

その統治者観というのは、国の頂点に立つ統治者を「神の代理人」として、そのような絶対的な統治者を欲するロシア国民の伝統的な意識だ。
帝政ロシアでは、もちろんそれはツァーリ（専制君主）であった。
ソビエト政権では、ロシア国家から「神の代理人」などという怪しげな仮面を剥ぎとって、共産主義のもと人々が能力に応じて働き、労働に応じて報賞される理想社会を建設しようとしたが、ソビエト共産党もまた、共産主義という宗教をまつる「教会」であったように思う。

その当然の帰結として、生身の神としてふるまうスターリンが現れた。
そしてソビエト崩壊後に登場したのがプーチン大統領だ。ここでは歴史を紐解きながら、この統治者観の生成のプロセスとその功罪を考えてみたい。

「神の代理人」を欲する国民

続き
https://www.sankei.com/article/20220315-JLLYNERWZNLZ5P5PIO36OCO3U4/

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